「老後までに2000万円以上貯蓄したい」現役世代は半数近く
今度は30代~40代の現役世代の意見にも耳を傾けてみよう。調査では「老後資金として、65歳までに貯蓄したい金額」を質問している。その結果、最も回答率が高いのは「3000万円以上」で29.9%。「2000万円~2500万円未満」と「1500万円~2000万円未満」が14.1%の同率で続く。
老後2000万円問題もあってか、2000万円以上の貯蓄を希望している人が半数近くにのぼった。先ほどの年金受給者と比べて、最も回答率が高い貯蓄額で1500万円以上のギャップがある計算になる。
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老後に向けた貯蓄 現役世代の約6割は毎月「3万円未満」
老後資金に対する現役世代の理想は高いが、実際のところ毎月の貯蓄額はいくらくらいなのだろうか。回答率が高いのは「3万円未満」で59.0%。「3万円~5万円未満」(16.8%)、「5万円~8万円未満」(8.7%)と続く。
しかし、調査では最も多い金額帯だった3万円未満では、2000万円を貯めることは難しい。たとえば、30歳から65歳まで、仮に月2万円ずつ貯蓄しても840万円にしかならないのだ。貯蓄額を毎月10万円に増やせば4200万円になるが、生活費などもかかるなかでどれだけの人ができるだろうか。老後2000万円をクリアするには、毎月5万円程度貯められるかが1つの分岐点になりそうだ。
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現役世代が予測する老後資金の使い道 医療費は低め?
先ほど65歳以上の老後資金の使い道は「日常生活」が最も多かった。それでは現役世代は老後資金の使い道についてどう考えているのだろうか。調査によれば、最も回答率が高いのは「日常生活」で368人(72.9%)。次いで「旅行」が228人(45.2%)、「医療費」が227人(45.0%)と続く(複数回答可)。
先ほどの年金受給者とおおむね同じ順位である。だが、医療費と回答した人の割合では、65.5%だった年金受給者に比べてやや低めという結果になった。体の衰えなどは実際に老後を迎えてみないと予測しづらいのかもしれない。
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調査概要 調査名:老後資金に関する調査 調査主体:ベンチャーサポートコンサルティング株式会社 調査対象:子どもがいる65歳以上の男女(年金受給者)505人、両親または父母のどちらかが健在、かつ子どもがいる30代~40代の男女505人 調査実施期間:2024年9月30日