山口発祥の総合化学メーカー 機能商品、エンジニアリングが稼ぎ頭
まずは企業の概要を押さえましょう。
東ソーは大手の化学メーカーです。1935年に東洋曹達(ソーダ)工業として山口県に創業しました。創業期は苛性ソーダや塩素といったソーダ工業製品を中心に発展します。現在も苛性ソーダのシェアは国内首位です。
もっとも、苛性ソーダといった塩化物の利益貢献は小さめです。東ソーの利益の多くは機能商品が占めています。この領域ではエチレンアミンや石英ガラス、ゼオライトやジルコニアなどを供給しています。
エチレンアミンはティッシュペーパーや自動車オイル、界面活性剤などに用いられます。また石英ガラスは半導体や液晶が主用途です。ゼオライトは自動車の排ガス浄化用の触媒など、ジルコニアは歯科材料などに用いられます。
東ソーの特徴の1つがエンジニアリング事業を持つことです。子会社のオルガノが半導体向けの純水製造装置を手掛けるほか、東北電機鉄工がプラント工事や電気工事を行っています。エンジニアリング事業は、機能商品に次ぐ収益源となっています。
【東ソーのセグメント情報(2024年3月期)】