今期は創立90周年 記念配なら配当利回り上乗せ
東ソーの株価はおおむね横ばいで推移しています。コロナ後の安値(1502円、2022年11月)からは上昇傾向にあり、2025年1月には一時2185円まで買われました。これはコロナ後の高値(2249円、2021年9月)まであと3%という水準です。
とはいえ、より長期で見ると停滞感もあります。足元の株価は上場来高値(2733円、2017年11月)の75%、5年騰落率は+25.5%にとどまります(2025年2月17日終値)。東ソー株式の値動きは、やや方向感に欠ける展開となっています。
【東ソーの株価チャート(過去5年間)】
・株価:2050円(2025年2月17日終値)
一方で、配当利回りは高水準です。今期(2025年3月期)は当初、1株あたり85円の配当金を予定していました。しかし中間期で100円へ上方修正しています。前期比で15円の増配、配当利回りは4.8%です。
なお、2025年は東ソーの創立90周年にあたります。周年では記念配当が上乗せされることがあります。実施される保証はありませんが、期待する投資家もいるでしょう。
【東ソーの予想配当利回り(2025年3月期)】
・予想配当金:100円
・予想配当利回り:4.88%
出所:東ソーホームページ
配当金の受け取りはNISAが有利です。本来は額面の約2割の税金がかかるところ、NISAを通じた投資なら非課税で受け取れます。
NISAで株式に投資できる成長投資枠は、年に240万円まで投資できます。東ソーの場合、足元の株価水準なら1100株まで買えます。1株あたり配当金が100円なら、計11万円を受け取れる計算です。
ただし、配当金は基本的には利益がなければ支払い続けることができません。配当金を重視する場合でも、企業の業績はチェックしておきたいところです。
今回は東ソーを取り上げ、業績の推移と今期の見通しを解説します。また、株主還元の方針と実績も併せて紹介します。