来週の注目ポイントは
最後に来週の注目ポイントです。

注目イベントは以下の5つです。
17日、日本の第4四半期実質GDPの発表と米FRBのクリストファー・ウォラー理事の講演。
19日、高田創・日銀政策委員会審議員の宮崎県金融経済懇談会登壇、米FOMC議事要旨の公開。
21日、日本の消費者物価指数1月分の発表。
ただ、米国については「利下げはちょっと慎重に」というトーンになるものと思われます。どちらかと言えば、日本のイベントが注目材料になるでしょう。
たとえば、17日月曜日朝8時50分に行われる予定の日本の第4四半期実質GDPの発表では前回の第3四半期では、前期比年率換算で1.2%の成長でした。現状は同程度の1.1%と予想されています。
ほかにも高田審議員の発言にも注目ですね。今週の田村審議委員に続いて高田審議委員からも「金利は1%程度までしっかりあげていくのだ」という発言が改めて出るかがポイントになるでしょう。
また、1月の日本の消費者物価指数が発表され、インフレの加速が確認されるかどうかも注目です。
結果次第では、1%程度と見られていた政策金利の天井が1.25%とさらに上がる方向へと市場の目線が変わっていく、その流れがさらに加速するかもしれません。

しばらくの間は1%と見られていた利上げの天井に市場は疑心暗鬼になるでしょう。そうなると、債券の価格が下がります。特に長期国債の買い控えが目立つ展開になりそうです。
海外の金利動向にもよりますが、長期金利は上昇圧力を受けやすい展開になるでしょう。1.4%を目指し、少し上がっていく可能性は高いのではないかと思います。
ただし日本株は、金利が上がるからといって、必ずしもどんどん下がることにはならないと思います。インフレ基調が継続するならば底堅さを維持するでしょう。加えて、新NISAなどが相場を下支えするのではないでしょうか。
ただ、長期金利の急上昇やリスク回避的な動きから150円を割り込むような円高の動きが出てくる場面では株価も不安定な動きになる可能性もあり、要注意です。

為替については、利下げ観測が後退していることからドルは底堅く推移すると思います。ただ、日本の長期金利の上昇が円安に少し歯止めをかける可能性があります。
また、1ドル160円を超えるような円安になれば、インフレが激しくなってしまいます。インフレ抑制のために利上げを容認するようなタカ派的なトーンのメッセージが日銀からでるでしょう。1ドル155円超えは難しそうです。
とはいえ、実質金利は大幅なマイナス圏ですから、どんどんと円高が進む地合いでもありません。ただ、市場自体は円ショートです。リスク回避的なイベントが発生した際の円高には引き続き注意が必要でしょう。