売上と利益が過去最高、高付加価値品の拡販が進展 今期も増収増益の計画
次に業績を確認しましょう。積水化学工業は新型コロナウイルス禍からの回復期にあります。
直近10期を振り返ると、積水化学工業の利益は2021年3月期にかけて落ち込んでいます。コロナの影響で顧客である自動車関連の需要が低下したほか、住宅工事の減少や営業活動の自粛などから売り上げが減少し、利益を押し下げました。
以降はおおむね回復しています。直近の2024年3月期は売上高と営業利益および純利益は過去最高を更新しました。業績の拡大は、自動車を中心に需要が戻ったこと、高付加価値品の販売が好調だったこと、円安が進展したことなどが要因です。また2024年3月期の最終増益は、株式の売却益も影響しています。
次に今期(2025年3月期)の見通しを確認しましょう。第3四半期の修正後で通期売上高は前期比4.1%増、営業利益は同13.3%増、純利益は同2.7%増を見込みます。達成すれば、売上高および各段階利益は再び過去最高を更新します。
なお、業績予想の修正幅は期首予想比で売上高が190億円の引き下げ、営業利益と純利益はそれぞれ50億円と20億円の引き上げとなりました。
【積水化学工業の業績予想(2025年3月期)】
・売上高:1兆3077億円(+4.1%)
・営業利益:1070億円(+13.3%)
・純利益:800億円(+2.7%)
※()は前期比
※同第3四半期時点における同社の予想
出所:積水化学工業 決算短信
第3四半期までの進捗率は売上高が73.1%、営業利益が72.3%、純利益が85.6%です。いずれも同四半期累計として過去最高を更新しています。
セグメント別では2024年10月の計画比で高機能プラスチックスや住宅が計画を上振れ、前年同四半期比および同四半期累計期間比ではその他以外の各セグメントで増益となりました。通期では住宅以外のセグメントで過去最高益を見込むなど、足元は好調なようです。