「今後1年間で住宅ローン金利は上昇」が購入検討者の7割近くに
日銀は政策金利を0.5%に引き上げたが、2025年のうちに0.75%まで利上げすれば、実に30年ぶりの金利水準となる。それだけ未知の領域でもあり、さらなる利上げの判断には困難が伴う。今後1年間の住宅ローン金利を見通すのは容易ではないが、住宅購入者や購入検討者はどう考えているのか。
調査によれば、「上昇」(=「何かをきっかけに大きく上昇する」+「ゆるやかに上昇する」)と考えている人は、住宅購入者で48.1%、購入検討者で68.3%にのぼった。いずれも前回調査に比べて上昇しているが、購入検討者のほうが金利上昇を予想する人が多いなど、温度差がある。
「繰り上げ返済」より、現金を保有しておきたい?
住宅ローン金利が上がれば、金利返済負担が増えるため、ローンを払いきれるか不安が募るかもしれない。住宅購入者や購入予定者は金利上昇に備えてなにか対策を取っているのか。調査によれば、対策として最も回答率が高いのは「新NISAやiDeCo」(35.4%)。次いで「預貯金」(30.5%)。一方で「繰り上げ返済」は15.3%で3位だった。
将来、金利が上がるならば住宅ローンの繰り上げ返済を行って返済負担を小さくするのが合理的だ。しかし、金利上昇やおさまらないインフレなど経済の不透明感が高まっているなかでは、繰り上げ返済よりも、現金を手元に残しておきたいと考える人が多いのかもしれない。一方で「特に対策はしていない」と回答した人が37.8%。将来が読めないだけに、様子見を決め込む人も一定数いるようだ。
調査概要 調査主体:株式会社LIFULL 調査名:住宅ローンに関する意識調査 調査対象:10年以内に住宅を購入し住宅ローンを利用中の825人(住宅購入者)と、5年以内に住宅を購入する予定があり、住宅ローンを利用予定の825人(購入検討者) 調査期間:2025年1月14日 ~ 2025年1月17日