「購入検討者」は住宅ローンの借入を抑制する傾向に?

世帯年収の何倍まで住宅ローンを借りるか(住宅ローンの世帯年収倍率)は悩ましい問題。将来が不確実だからといって倍率を大きく下げれば(借りる金額を減らせば)、その分だけ頭金を貯めないといけないため、住宅購入に至るまで長い時間がかかってしまう。一方で住宅ローン金利が将来上昇すれば、返済負担も増えることから、倍率を下げたいと考える人も増えそうだ。

調査によれば、住宅ローンの世帯年収倍率について、住宅購入者で最も多いのは「4倍以上5倍未満」(22.4%)。一方で購入検討者の最多は「3倍以上4倍未満」(25.2%)だった。購入検討者の場合、2024年7月実施の前回調査では「4倍以上5倍未満」が最も多かったことから、金利上昇への不安の高まりを示唆する結果になった。

出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」

住宅購入のタイミングにも金利上昇の影響

いつマイホームを購入すべきか。「希望の物件が見つかったとき」「結婚や出産などのライフイベントに合わせて」、などいろいろな意見があるだろう。調査では購入検討者に住宅購入に対する意向を聞いているが、最も回答率が高いのは「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」(47.9%)。次いで「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」(33.6%)だった。

一方で「希望に合う物件が出たら買いたい(現状希望に合う物件が出ていない)」は32.1%で3位。「ライフイベント(結婚、出産、子の進学など)に合わせて買いたい」は15.2%で7位にとどまった。

1位については、前回調査時の41.3%に比べて6.6ポイント上昇。住宅ローンの世帯年収倍率と同様、購入検討者が将来の金利上昇を不安視していることがうかがえる結果に。

出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」