全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会)から年収1200万円を超える世帯の回答をランキングで見ていきましょう。まずは「金融資産の保有実態」についてです。
※家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)

 年収1200万円以上・家族あり「預貯金」はいくら?

一口に金融資産といっても、預貯金、株式、投資信託などさまざま。年収1200万円以上の世帯は何をどのくらい持っているのでしょうか。詳しく見ていくことで参考になる点があるかも知れません。二人以上世帯の結果を見ていきましょう。

金融商品(種類別)保有額ランキング(年収1200万円以上、二人以上世帯)

 
出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」
(※世帯主年間収入1200万円以上かつ金融資産保有世帯、実数287)
 

1位   預貯金(運用または将来の備え)   1708万円(うち定期性預貯金765万円)
2位   株式   958万円
3位   生命保険   431万円
4位   投資信託   333万円
5位   個人年金保険   300万円

世帯主の年収が1200万円以上世帯の金融資産の内訳は、「預貯金」の割合が最も多く、1708万円という結果でした。次いで2位は「株式」958万円。個別株で1000万円近くを持っているのが年収1200万円以上世帯の平均的な特徴といえそうです。同じくリスク性商品では「投資信託」が4位(333万円)にランクインしています。

3位「生命保険」431万円と5位「個人年金保険」300万円はともに保険商品。7位の「損害保険」122万円を合わせると保険で約850万円近くという結果は、他の年収世帯と比べると多いと言えます。

例えば「年収500万~750万円未満」世帯の保険商品(約300万円)と比較すると3倍近い金額です。同様に「1000万~1200万円未満」世帯の保険商品は約500万円なので、こちらは約1.7倍の金額となります。二人以上世帯ということで、保険商品の割合が単身世帯よりは高い傾向にあります。

保険が「守る」商品である一方で、「増える」可能性がある商品の代表が株式や投資信託。年収1200万円以上の世帯が持つ株式と投資信託は併せて約1300万円。保険商品の約1.6倍の金額となります。「守る」と「増やす」をバランスよく使い分けている様子が伺えます。

●前編:「【年収1200万円以上世帯】金融資産保有額ランキング 「3000万円以上」持っているのは“当たり前”なのか?」