足元は回復傾向 今期は営業増益の計画も進捗は低調、スーツ不振が重荷
次に業績を確認しましょう。青山商事は低迷からの脱却を図っています。
苦戦が顕在化したのは2020年3月期です。主力のビジネスウェア事業で収益が低下し、大幅な営業減益となりました。さらにカジュアル事業の撤退および総合リペアサービス事業における減損に伴う特別損失から最終赤字に転落します。翌2021年3月期は、新型コロナウイルスの影響を主因に赤字が拡大しました。
足元は回復が続いています。2022年3月期に黒字化を果たし、直近の2024年3月期まで2期連続の増収増益となりました。ビジネスやフォーマルの需要が戻ったことに加え、フランチャイジー事業も好調でした。ただし、業績はコロナ前の水準を下回ります。
回復は今期(2025年3月期)も続く予想です。中間決算時の修正後で通期売上高は前期比微増、営業利益は15%以上の増加を見込みます。引き続きビジネスやフォーマルの需要が期待できるなか、商品価格の見直しと値引きの抑制で粗利の改善を目指す計画です。
なお、純利益は前期比で減少する見込みです。最終減益は、主に前期の繰延税金資産積み増しに伴う法人税等調整額が要因となっています。
【青山商事の業績予想(2025年3月期)】
・売上高:1986億円(+2.5%)
・営業利益:138億円(+15.8%)
・純利益:91億円(-9.8%)
※()は前期比
※同第2四半期時点における同社の予想
出所:青山商事 決算短信
ただし、取り組みは低調です。公表のある中間決算までの進捗率は売上高が42.3%、営業利益は4.7%にとどまっています。純利益は6.3億円の赤字でした(前年同四半期は4.6億円の黒字)。
苦戦の主因はビジネスウェア事業です。12.5億円の営業赤字となり、前年同四半期(6.1億円の営業赤字)より赤字が拡大しました。メンズスーツの販売が不振で売上高が減少したところ、販管費も増加したことで利益を減らしています。
青山商事は、下期における既存店売上高の予想を引き上げ、さらに販管費の削減に取り組むことで計画を達成するとしています。