一時ドル円159円に迫る

ここまでを踏まえてドル円相場を振り返っておきます。

 

先週1月10日雇用統計発表のあと、一時158円87銭と159円手前までドル高が進みました。けれども、賃金の伸びは縮小していましたので、ドル買いはそれほど続きませんでした。

そして週明け、トランプ政権が段階的に関税引き上げを進めるのではないかという報道が出ました。少しずつ関税を上げるのであれば、一気に米国がインフレになることはないだろう。ということで少しドル安の動きが見られました。

その後ドル円は158円台に戻ったところで、先ほど紹介した植田総裁の発言がありました。

続いて15日に米国の消費者物価指数(CPI)と小売売上高が発表されました。表面上はヘッドラインを下回ったということでドル安になりました。さらに米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事からは「今年は3回から4回利下げできるのではないか」という発言も飛び出しました。このところで、ドル円相場は155円を割り込み、直近で一番のドル安円高である154円98銭を付けました。雇用統計発表後で言いますと約4円ドル安円高が進んだということです。

 

さらに、主要通貨の対ドル変化率を見ますと、ドル指数の対象になっているすべての通貨がドルに対して上昇しており、ドル全面安の状況です。中でも日本円が最も上昇している。つまり、今週の為替市場はドル安と円高のダブルパンチでドル円が約4円下落したということになります。

そういう意味では日銀1月利上げ観測急浮上による円高が今週の為替市場では一番大きな動きだったと言えると思います。