S&P100は、大型株によって構成されているインデックス

まず、S&P500とS&P100の違いについて説明します。

S&P500は前述したとおり、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場されている銘柄の中から500銘柄を抽出して構成銘柄とした株価インデックスです。そしてS&P100は、S&P500のサブセクターで、米国上場企業のうち優良企業群で構成されているS&P500のうち、さらに時価総額で上位100位に入っている銘柄で構成されています。つまりS&P100は大型株によって構成されている指数と考えて差し支えないでしょう。

恐らく、読者の方が一番気になるのはパフォーマンスだと思います。S&P関連の持株会社であるS&Pグローバルのサイトに掲載されている各種S&Pインデックスのデータで比較してみましょう。

2014年10月31日を100として、S&P100とS&P500の値動きを比較すると、2024年11月15日時点のS&P100は382.66、S&P500は349.58で、時価総額上位100銘柄を抽出して算出されたS&P100の方が、より高いリターンを上げています。

10月31日時点のセクター別構成比率を見ると、表で示したように、両者のそれは明らかに違います。「情報技術」と「通信サービス」の比率が高いのはS&P100の方です。

●S&P100、S&P500およびS&P1000のセクター別構成比率

筆者作成

また、ウエイト上位10銘柄を見ると、S&P100もS&P500も同じではあるのですが、全体に占めるその比率が、S&P100は50.3%であるのに対し、S&P500は34.9%です。

この、ウエイト上位10銘柄には、アップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、メタ・プラットフォーム、アルファベット(グーグル)という、いわゆるGAFAMが含まれていますので、ウエイト上位10銘柄の比率が高いS&P100は、GAFAMの株価上昇による恩恵を、より強く受けてきたと考えられます。

ちなみにS&P500に連動する投資信託は、ETFも含めると多数設定・運用されているのですが、S&P100に連動するタイプは現状、運用されていません。

以前はETFで、ブラックロックが「iシェアーズ 米国超大型株ETF-JDR(S&P100)」をJDR(日本預託証券)という形で発行し、東証に上場していたのですが、2018年1月22日付で上場廃止となりました。