音楽著作権にアップサイドの可能性がある理由
デジタルストリーミングの成長:SpotifyやApple Musicなどのサービスは、音楽の消費方法を変え、より多くのリスナーの獲得に成功している。これにより、ロイヤリティが著しく増加しているアーティストや音楽が存在する。
長期的な収益:”カタログミュージック”と呼ばれる定番曲は時間を経ても人気が持続し、新たな世代のファン獲得により長期にわたってより多くの安定収益を生み出す可能性がある。なおカタログミュージックはストリーミングの普及により年々増加しており、音楽消費全体の75%を占めるようになっている。
グローバル市場の拡大:音楽は国境を越えて受け入れられる。これにより、新たな地域でファン層を拡大できれば、そのロイヤリティ収入は著しく増加する可能性がある。
新技術の活用:AIやビッグデータなどの最新技術の活用により、楽曲の利用効率やプロモーション手法が向上し、収益化の新たな道が開かれている。例えば最近ではアーティストをアバター化し高齢化したアーティストもメタバースコンサートを開くことでファン層を拡大し続ける動きさえ出てきた。
キャッシュフローが増大すればキャピタルゲインも
つまり特にカタログミュージックの著作権への投資は、最初から安定的で長期的なキャッシュフローが見込めるのみならず、テクノロジーによる構造変化を踏まえたプロモーションにより新たな世代や地域のファン層を拡大することで、キャッシュフローの増大を図ることができるのだ。キャッシュフローが増えれば、その現在価値(つまり著作権の値段)も上がる。売却してキャピタルゲインを得ることも可能だろう。
このような投資対象資産は他にあるだろうか?強いて言えば不動産のバリューアップ投資は同様の性質を持つかもしれない。それでもアップサイドはある程度限定的だろう。
音楽業界のデジタル化やテクノロジーの進化を背景に、音楽著作権投資は長期の安定収入に加え、アップサイドの大きな潜在力を秘めるようになっている。もちろんカタログミュージックの著作権に投資するためには業界における相当の人脈や、複雑な著作権に関する専門知識、さらに音楽プロモーションの知識と能力が必要であり、誰にでもできるわけではない。ただ、だからこそ黎明期の今、実行できる数少ないチームにとっては一世一代のチャンスと言えるのかもしれない。