オルカン人気の陰?にMSCIあり
以前、日経新聞でMSCIについての記事があった。「日本株、薄れる存在感 米MSCIの全世界株指数から14銘柄減 円安で時価総額目減り」というタイトルの記事である。今、話題の”オールカントリー”についてだ。良い機会なので、これについて少し書きたい。筆者は何を隠そう、若いころMSCIでしばらく働いていたのだ。
さて、個人投資家にも 人気の高い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称”オルカン”の名前の由来は、その正式名称であるMSCIの”All Country World Index(オールカントリーワールドインデックス)”つまり全世界指数だ。専門家の間ではむしろ頭文字ACWIをとって”アクイ”と呼ぶ。
実は、機関投資家に最も使われているインデックスはオールカントリーよりも、”MSCI World Index(ワールド)”の方だ。これは先進国23カ国の株式市場を表す。ちなみに日本の機関投資家に外国株式の指数として最も使われているのはワールドから日本を除いた指数で"MSCI Kokusai Index(コクサイ)”と名付けられている。
これらに対してオールカントリーはエマージング国24カ国の株式市場も合わせた指数だ。
日経記事の趣旨はオールカントリーの構成銘柄が変更され、日本のシェアが減っているということだ。MSCIは四半期ごとに構成銘柄を入れ替えている。ここで着目したいのは、どのように構成銘柄が決まるのか?ということだ。