MSCIの構成銘柄の決まり方
MSCIの構成銘柄は、文書化されて公開されたメソドロジー(ルール)ブックに基づき、実際にはMSCI社内の委員会により決定される。
定量的なルールでは決められない部分も大いにある。従ってMSCIは定性的な要素も鑑みて決めると言っている。委員会のメンバーは今は知らないが、私がいた当時はわずか数人だった(日本人は一人も入っていなかった)。
構成銘柄はフリーでは公表されていないので現状を確認していないが、筆者が働いていた当時は、例えばなぜ電通が入っていて博報堂が入らないのか?という疑問を受けたことがある。「MSCIは各地域の各セクター全体を代表する銘柄を選ぶ」という基本方針があるため、日本のそのセクターの代表として電通が選ばれたという説明だったと思う。
ここで言いたいのは、インデックスといっても、結局誰かが銘柄を選んでいるということだ。
「アクティブファンドと違って、インデックスファンドへの投資は市場全体に低コストで投資できるので良い」という論調は正しいように聞こえるが、オルカンに一極集中することは、業績などに関わらずMSCIの委員会が選んだ銘柄が、自動的に投資されるという状況を生み出している。
これが今、日本の新NISAを通じて、兆円規模で行われてる現状だ。