今回は、大統領選挙を受け市場がどう反応したかについてお話ししたいと思います。
結論から言うと市場が取った戦略は8年前、一度目のトランプ大統領誕生時とほぼ同じです。ただ、おかれた環境は異なります。
では、われわれはどのような環境に置かれているのか。今回はそのことを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
前回の記事はこちら米大統領選挙後の長期金利の動向を読み解く。4パターンのシナリオとは?
まずはこちらの画像を見てください。青い折れ線グラフはSP500 の動き。赤がアメリカのVIXの動きとなっています。このVIXはアメリカのインプライドボラティリティ(予想変動率)を示す指数で、簡単に言えば保険の世界を表すものです。
両方の動きを見てみると株価(SP500 )は投票日の前に少し下がり、そこからぴょーんと跳ねていくような動きになっています。
かがみ合わせのような動きをしているのがボラティリティです。ボラティリティは投票日前に上昇している。専門的に考えると、おそらくみなさん保険を買った。だからボラティリティが上がったのでしょう。
8年前の選挙はヒラリークリントン氏とトランプ氏の戦いでした。どちらに動くにしても混乱する。上にぶっ飛ぶかもしれないし、下にぶち下がるかもしれない。どちらになってもいいように保険を持っておく。あるいはコールオプションのように保険の機能を有するものに変えておこう。そんな動きがありました。そして、保険を買うとボラティリティがあがります。
さて、投票日。株価は上にぶっ飛んだ。そのため保険の解約が進み、ボラティリティは下がっていった。8年前はこのような現象がありました。