<前編のあらすじ>
元経営者の上平さん(仮名・74歳)は、現在約1億円の資産を持っています。これらを取り崩しながら生活していますが、生活費は別途確保しているためお金が有り余り、亡くなるまでに使い切れないかもしれないと悩んでいました。
年金については厚生年金も国民年金も未加入だった事実が発覚。自身が年金に加入していこなかったことは後悔していませんが、会社の従業員を厚生年金に加入させなかったことには心を痛めていると話します。
余った資産の使い道として、今後は年金関連団体や元会社所在地の自治体への寄付も選択肢として検討していくことになりました。
●前編:【資産1億円の使い道に悩む元経営者の70代男性…従業員への“申し訳なさ”から考えた「償いの方法」】
厚生年金に加入できなかった横田さんの場合
横田さん(仮名)は現在63歳独身です。前編で紹介した上平さんと直接の関係はありませんが、上平さんが経営していた会社の従業員と同じく、会社都合で厚生年金に加入できなかった方です。
横田さんは年金生活まであと少しという時点に来て、老後生活に不安を感じ始めていました。それは年金だけでは生活できないかもしれないという不安です。
高校を卒業して以来、会社員として働いてきましたが、そのうち15年間は厚生年金に加入していません。当時働いていた会社が厚生年金に加入していなかったため、その間の厚生年金がなく年金が少ないと言います。65歳から見込める年金は月額約12万円です。
しかし、実家を相続し姉と2人暮らしのため、住む場所には困っていません。姉は現在7万円の年金を受給しながら生活していますから、姉と横田さんの年金を合わせると、どうにか生活できそうです。しかし、貯蓄はありませんから毎月の生活がやっと、家の修繕や医療費などの臨時出費が発生することを考えると厳しい状況だと予想できます。