WEBサイトへの道筋をつけておくことが重要
行動に結びつけるためには、自分ごととして捉えられるような工夫が必要です。たとえば、加入者全体の運用利回りの分布を示して、自分自身が全体のどの位置にいるのか、を認識してもらいます。まわりの人と自分の運用結果が比較できると、興味を持って聞いてもらえるようです。
さらに、運用利回りの違いがどれほどの金額差につながるのかを数字で示します。毎月1万円を40年間積立投資し、利回り5%だった場合は1500万円を超えますが、定期預金(適用金利0.2%)では500万円にしかなりません。
意識づけができたら、すぐに行動に移せるようにWEBサイトへのアクセスを促します。DC加入者がWEBサイトにアクセスするためには、口座番号とパスワードが必要です。そのため、事業主(DC教育担当者)の方には、説明と同時(もしくは前もって)に口座番号やパスワードがわかる体制を整えていただくことが不可欠です。
iDeCoセミナーも増加傾向
投資教育の存在に気づき、活用した人は、冒頭のアンケート結果のようにDCが老後資産形成に役立っているようです。
企業型DCと比較すると、iDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)では投資教育の機会は多くないようです。ただ、最近ではNISAの定着とともに「iDeCoとNISA」などのテーマでのセミナーが増えています。
金融機関ではFP(ファイナンシャルプランナー)が開催するものはたくさんありますが、公的機関も実施しています。9月には金融経済教育推進機構(J-FLEC)、金融庁、厚生労働省が主催するセミナーが開催されました。
iDeCoの実施機関である国民年金基金連合会でも定期的にセミナーを開催しており、WEBサイトから動画アーカイブを見ることもできます。