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今回は個人的に着目した出来事についてお話します。アメリカの大統領選挙の勝敗を分けるのは19名の選挙人がいるペンシルべニア州という話があります。
私は過去の失業率は雇用統計をさかのぼって、FFレートも過去のデータを見て、日本のGDPについても自分なりのデータを集め、分析して皆さんにお伝えする主義です。
ですが、実はこれまで一度もアメリカ大統領選挙でどこの州が勝つか負けるかについて、ちゃんと調べたことがありませんでした。今回は私自身も一度、アメリカ大統領選挙の行く末について、自分なりに調べてみようと思った次第です。
さて、私は絵や数字でないと情報が頭に入ってこないタイプですから、ひとまずこんなグラフを作ってみました。インターネットから資料を集めて作成したものです。
縦はアメリカ各州がアラバマからABC順に並んでいます。横軸は1984年、レーガンが勝った大統領選挙から順に88年、92年、と2020年までの大統領選挙の勝利者を並べました。
グラフ内に赤で記載されているのが、共和党陣営が勝った州、青が民主党陣営が勝った州です。
選挙のたびに勝利者が変わる州を「スイング・ステート」と呼びます。例えばフロリダ州は96年、ビル・クリントン大統領が勝った選挙では民主党が勝っていますが、ジョージ・W・ブッシュ大統領が誕生した2000年の選挙では共和党の勝利した州の一つになっている。結構リズミカルです。
対して、たとえば、ミシシッピ州はずっと、共和党が勝っていますし、ミネソタ州は青ばかりです。面白いですよね。
ミシガン州も興味深い。92年のクリントン大統領誕生以降はオバマ政権までずっと民主党が勝っていたのですが、トランプが勝ったときだけ共和党に鞍替えしている。フロリダでも似た傾向が見て取れます。
ほかの州の動きも見ていきましょう。ペンシルベニア州です。2016年の選挙では、ペンシルベニアを共和党が取ったからトランプはヒラリー・クリントンにかった。逆に、2020年の選挙では民主党がペンシルベニアを取ったのでバイデンが勝ったというわけです。
ウィスコンシン州も同じですね。16年の選挙ではトランプが取った。けれど、20年の選挙では民主党が取り返した。
このように各選挙での動きを可視化してみると、なるほど、スイング・ステートを見ていくとだいたい選挙の行方が分かるのだな。そう感じました。
また、過去の選挙結果を見ると、各大統領の人気がわかるのも面白い。1984年の選挙は、真っ赤で、レーガンがいかに人気だったかがわかります。逆にクリントンの2期目はほとんど青。やはりアメリカの民意ははっきりしているなと思います。そして、堂々と鞍替えもしていく。