◆価格上昇が際立つ「金(ゴールド)」を入れたバランスファンド
「外国株式型」への資金流入に次いで、大きな資金流入となっている「複合資産型」では、「金(ゴールド)」を組み入れたファンドの活躍が目立つ。「複合資産型」のカテゴリーで流入額上位ファンドの第4位に「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」(流入額は約59億円)、第6位に「ピクテ・ゴールデン・リスクプレミアム・ファンド」(同48億円)が入り、月間収益率ランキングでは、「グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)」、「同(予想分配金提示型)」が第1位と2位、第3位に「米国分散投資戦略ファンド(5倍コース)」、第5位に「Trecers S&P500ゴールドプラス」が入っている。これらは、いずれも「金(ゴールド)」を投資対象に加えたファンドだ。
特に、「ピクテ・ゴールデン・リスクプレミアム・ファンド」や「Trecers S&P500ゴールドプラス」は、「金(ゴールド)」のへの投資割合がポートフォリオの半分ほどを占め、主要な投資対象に位置付けられている。NY金先物市場で、金価格が9月に史上最高値を更新し2700ドルに迫るほどの歴史的な高値を付けている。株価の上昇とともに、金価格の上昇も目立っており、「複合資産型」の中でも金を積極的に投資対象に加えているファンドへの注目度も高まっている。
◆政府の景気対策に期待? 中国株がパフォーマンス上位に
一方、9月のパフォーマンス上位では、「DWSロシア株式ファンド」(月間収益率46.54%)を除けば、値上がり率上位(レバレッジ型を除く)は中国株式ファンドばかりになった。「iFreeNEXT ATMX+」(23.63%)、「アムンディ・グラン・チャイナ・ファンド」(20.21%)、「iFreeActive チャイナX」(18.82%)など、中国株式ファンドの上昇が目立った。
これは、10月1日の建国75周年を前に、9月24日に中国人民銀行が政策金利を0.2%引き下げるなど、総合的な景気対策を発表したことが背景にある。この発表を受けて9月末までに上海総合指数は21.37%上昇し、香港ハンセン指数も15.82%上昇した。「エマージング株式型」の人気はインド株式ファンドに偏っているが、長らく低迷してきた中国株式ファンドにも日が差してきたようだ。今後、中国株式の上昇が続くのか、その行方に注目したい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩