三菱アセット・ブレインズがまとめた2024年9月の公募ファンドの純資産残高は100兆7091億円で前月比1兆7259億円増加した。6月の103兆円以来、3カ月ぶりに純資産残高を100兆円の大台に乗せた。資産別には「外国株式型」の残高が約53兆3630億円と前月の51兆9944億円から2.63%増加したが、次に残高が大きい「国内株式型」は約11兆9740億円と前月比0.65%減少、「複合資産型」は約11兆6970億円で前月比1.25%増加した。資金流出入額では、月間で約9550億円の資金純流入で前月の約1兆960億円の資金純流入からはやや減少した。

資産別にみると「外国株式型」(約7330億円、前月は約7270億円)、「複合資産型」(約760億円、同約910億円)、「国内株式型」(約580億円、同約2280億円)の順で資金流入があったが、「国内株式型」は前月から流入額が大幅に減少した。一方、資金流出は「国内債券型」(約65億円)、「エマージング債券型」(約29億円)の順に流出した資金額が大きかった。

 

◆8月の株価急落で新NISAの利用停止や減額?

個別ファンドの資金流入額でトップは、「外国株式型」の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の約1468億円(前月は約1520億円、前々月は約2240億円)、そして、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の約1204億円(前月は約1181億円、前々月は約2000億円)、「アライアンスB・米国成長株投信D」の約635億円(前月は約795億円、前々月は約1680億円)、「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」の約502億円(前月は約482億円、前々月は約589億円)の順で前月、前々月と順位は変わらなかった。前月は、米国株式に特化したファンドがより大きな減額率になったが、今月は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の流入額はやや回復した。これと比較すると「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の流入額の減少は続いている。

新NISAの「つみたて投資枠」対象の株式インデックス・ファンドについては、8月上旬にあった株価の大きな下落によって一部の投資家がNISAの利用を停止・減額した可能性が指摘されている。日銀総裁の発言によって、7月末の日銀利上げ後に一段と利上げを行っていくという見方が強まり、その結果として大幅な円高と株式市場の下落になった。特に、国内株式は日経平均株価が短期間に約20%も下落する大幅安となり、新NISAが始まって初めての急激な変化となったため、投資の経験が浅い投資家には大きなショックになったと想像される。

また、国内株式ファンドには、8月上旬の株価大幅安の局面で「日経225ノーロードオープン」などのインデックスファンドや日経225のブル型ファンドなどに資金流入が目立ったが、9月には日経平均株価が4万円近辺に上昇した9月24日の週には資金流出額上位に国内株式インデックスファンド等が入っており、利益確定や戻り売り等が出たものと考えられる。9月の月間で「日経225ノーロードオープン」は約152億円の資金流出、「SBI日本株4.3ブル」は約55億円の資金流出だった。9月の「国内株式型」への資金流入額が前月比で急減した理由の1つだ。