大手証券の投信売れ筋ランキング(2024年7月)のトップ3は、前月と同様に「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だった。前月第2位の「HSBC インド・インフラ株式オープン」が第3位に後退し、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」が前月の第3位から第2位に浮上した。
前月と比較すると、「半導体関連 世界株式戦略ファンド 愛称:半導体革命」や「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」など半導体関連株ファンドが前月に引き続き順位を下げ、「HSBCインド・インフラ株式オープン」、「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」などインド株ファンドも順位を下げた。代わって、前月から一部の銘柄がランクを上げていた日本株ファンドがインデックスファンドを中心にまとまって順位を上げている。
ランキングは、大手証券(野村、大和、SMBC日興、みずほ)の代表的な売れ筋ランキングについて、トップに10点、以下、順位が下がるごとに1点減点して10位を1点としてポイントを付与し、そのポイントを合算してポイント上位から並べたもの。各社の公開情報に基づくもので、大和とSMBC日興はオンライン(総合)。また、大和の売れ筋は9月第1週の1週間分のみのランキングを使っている。
◆日経平均株価の史上最大の下げに反応
「日経225ノーロードオープン」、「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i 日経225)」、「ダイワ・ノーロード 日経225ファンド」がそろって10ポイントを獲得して第4位に並んだ。これは、それぞれにSMBC日興証券、野村證券、大和証券において売れ筋ランキングのトップにランクされたためだ。国内株ファンドに対する資金流入は、8月5日に日経平均株価が史上最大の下げ幅(4551円安)を記録した週に集中している。株価の急落を狙った「押し目買い」が強烈に行われたためと考えられる。8月5日の終値では7月末比でTOPIX(東証株価指数)が20.30%安、日経平均株価は19.55%安でTOPIXの方が下落率は大きかったが、ニュースの見出しなどで「日経平均が史上最大の下落」と騒がれたためか、日経平均連動型のインデックスファンドが売れ筋に並んだ。
なお、前月は第6位だった「ダイワ・ブルベア・ファンド6 ブル3倍日本株ポートフォリオ6」は第19位に順位を下げた。同ファンドは7月末の基準価額1万9101円が8月5日には8803円と53.91%安の半値以下に急落した。8月末には1万5934円に回復したものの、7月に購入していた投資家は8月上旬の急落時は肝を冷やしたことだろう。第19位に入った「野村ハイパーブル・ベア10(ハイパーブル10)」は市場変動の2.5倍で動くファンドだが、8月5日は基準価額が5292円に急落、その後、8月末には8741円になった。レバレッジ型のファンドは、タイミングが合えば短期間で大きな投資収益が上げられるが、果たしてこの大きな変動相場で、うまく立ち回れた投資家はどれほどいただろうか。