自分の年金だけでなく、夫の年金も合わせて総合的に判断しよう
老齢基礎年金は個人の年金であるのはもちろんですが、夫婦の生活費となる資金でもあります。そのため、自分のメリットやデメリットだけで考えるのではなく、夫婦が受け取る年金として、どのように受け取ると良いのかを考えることが大切です。
相原さんの場合、夫は2歳年下ですので、夫がいつまで働いて収入を得るのか、夫が受け取る年金と同じタイミングに相原さんの受給も合わせるのか等、複数の選択肢が考えられます。
まずは60歳以降、どのような生活を送りたいのか、夫の会社の定年後の雇用形態や条件などを話し合い、老齢基礎年金を受け取るタイミングを考えてはいかがでしょうか。
ちなみに夫の老齢基礎年金+厚生年金の受け取りタイミングに合わせると、相原さんご自身は2年繰下げ受給をすることになるため、67歳で受け取ることになり、その際の増額率は16.8%。金額は約95万3000円となります(令和6年度の満額支給年間額81万6000円で計算)。2年先送りするだけで、年金は年間で約13万7000円増えます。
老齢基礎年金の繰下げ受給は一例に過ぎませんが、老齢基礎年金を増やすための手段の一つです。iDeCoは現在、最長75歳まで保有し続けることが可能ですので、預貯金や夫の退職金等、踏まえながら家計全体で考えることが不可欠です。
いつのころからか夫とはあまり会話がなく、そのため老後の話も具体的にはしてこれなかったと相原さん。今回の話から基本的なことは理解できたので、あらためて夫に話を切り出してみたいと決意されていました。