ネットでよく見かける「積立の買付日、月初は避けたほうがよい」説
NISAのつみたて投資枠で投資信託を積み立て買付する際、金融機関によっては積立日を選べる場合があります。
さて、そうなった時、あなたはいつを買付日(積立指定日)にしますか?
実は、いつを買付日に設定するかによって、有利・不利があるという意見を、結構耳にします。そのひとつとしてよく聞くのが、「毎月第1営業日は、クレカ積立の多くが投資信託の買付日にするため、基準価額が高くなりやすい。他の日を買付日にした方がよい」というアイデアです。
理屈としてはそうなります。
たとえば毎月第1営業日に、NISAのつみたて投資枠を経由した資金が投資信託を買い付けたとします。
すると、その投資信託は組み入れる株式や債券を、それぞれのマーケットを通じて買い付けるため、マーケットの需給がタイトになり、ファンドに組み入れるために買い付けた株式や債券の価格が値上がりします。
投資信託の基準価額は、その日の取引を終えた段階での株価や債券価格をベースにして算出されるので、ファンドに組み入れた株価や債券価格が高止まりしたままだと、当然、基準価額も高くなります。つまり高値をつかまされることになります。だから不利だ、と言いたいのでしょう。
投資信託や年金ファンド、ヘッジファンドなど、巨額の資金で株式や債券を売り買いする投資主体が、自らの売買によって株価や債券価格を動かしてしまうことを、「マーケットインパクト」と言います。
本来売り買いできたはずの価格が動いてしまうわけですから、その動いた分が隠れたコストになります。そのため、運用サイドからすれば、マーケットインパクトをできるだけ最小限に抑えることも、リターンを稼ぐうえで重要になってきます。