景気は緩やかに拡大継続も悪化リスクは要継続点検
失業率上昇に加え、月初公表のISM製造業指数が悪化したことも米景気後退懸念を高める要因となりました(下図下段)。ISM製造業指数は米GDPや企業業績の伸びに先行します。同指数は昨年半ばに底入れし、その後一進一退を繰り返しながらも緩やかな改善傾向が見られていました。ところが7月値が予想外の大幅悪化となり、米景気の腰折れ懸念が拡がりました。
他方、減速基調が続いていたISM非製造業指数は7月値が市場予想に反して改善し、景気悪化懸念を和らげました(下図上段)。生活必需品の値上がりや、コロナ禍に拡大した家計貯蓄の払底(下図左上)により、米家計の消費余力は低下していると見られます。ただ、6月小売売上が予想比で上振れる等、消費・サービス関連の指標は総じて底堅い動きが続いています。
主要な経済指標から読み取れることは、足元の米国景気は減速感が強まるものの、景気後退状態であるとは考えにくい、というものです。前頁の通り、労働市場には失業率の上昇等、懸念すべき兆候がありますが、現時点では雇用の拡大が継続しています。製造業ではISM製造業指数の悪化が懸念されますが、先行する出荷・在庫バランスは持ち直しており、循環的な回復局面にあると見られます(下図下段)。家計消費などの最終需要の弱まりは製造業活動の重石になる可能性はありますが、現時点でサービス業の指標は底堅さを保っています。
ただ、足元の景気回復の勢いは鈍く、先行きの景気悪化リスクは高まっているとみられます。引き続き、最重点で米国景気指標の点検を続ける必要があります。
■関連リンク Resona Investment Outlook (resona-am.co.jp)
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