主要マーケットの見通し:新興国市場
中国の過剰生産問題は日本自動車メーカーの脅威に
6月のG7首脳会談後の声明では、中国の過剰生産への懸念が表明されました 。中国が過剰生産のはけ口として安価な製品で輸出攻勢をかけていることへの批判が欧米を中心に高まっています。特に、自動車の過剰生産が警戒されています。中国の自動車輸出台数は過去3年間、二桁の伸びを続ける一方、1台当たりの価格は低下基調となっています(下図上段)。
中国製自動車の台頭は日本の自動車メーカーにとって脅威となります。欧米では 、 今年に入って中国製 EVに対する大幅な追加関税を導入したことで顕著な増加は見られませんでした。一方、日本の自動車メーカーにとってドル箱市場の東南アジアでは中国製自動車の販売増加が目立っています。その動きが顕著に見られるのがタイです。同国の自動車販売台数に占める日本車のシェアは 2021年の87.5%から 、2023年には77.8%と2年間で約10%ptのシェア低下となりました。他方、中国車のシェアは21年の4.6%から23年10.9%と2倍以上に増えています。最近では、ホンダがタイでの生産縮小を公表するなど、戦略の見直しを迫られる日本車メーカーもでてきています。
中国は7月に開催した三中全会で「新質生産力」を発展する方針を維持するなど 、 EVなどの供給を拡大する方針を示しました。中国製EVの輸出増加によって、日本の自動車メーカーへの逆風は今後も強まっていくことが予想されます 。
■関連リンク Resona Investment Outlook (resona-am.co.jp)
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