主要マーケットの見通し:債券市場

利下げ開始・景気不安浮上 米国債の投資魅力に注目

米国株式市場が不安定な動きを続ける一方、米国債券は利回り低下(価格上昇)が進み、株式との逆相関がみられます。米国景気見通しの不確実性が高まる中、米国債投資の魅力度の高まりが注目されます。

先行きの米国景気に関して想定されるシナリオは、下図のように、①ソフトランディングと②景気後退、の2通りです。

①ソフトランディングの場合(下図実線矢印)、利下げはインフレ減速に沿った緩やかなペースにとどまると考えられます。

FF金利は最大でFOMC長期見通しの中央値付近(≒中立金利、6月時点で2.75%)までの引き下げが見込まれます。ただ、金利先物市場では2026年初に3.0%近辺までの利下げをすでに織り込んでおり、一段の長期金利の低下余地は限定的と考えられます。

②景気後退の可能性が高まる場合は(下図点線矢印)、中立金利を下回る大幅な利下げが織り込まれるため、長期金利の低下余地が広がります。

為替ヘッジについては長短金利差のプラス転換時期が焦点となります。①ソフトランディングシナリオでは、FF金利が3%半ばに低下する2026年前半、②景気後退シナリオでは2025年前半にも順イールドに転じる可能性が高いとみられます。

投資開始時点の高い利回り(インカム収益)と利下げ開始(キャピタル収益)が期待される現在、①、②いずれのシナリオでも、下方リスクが限定的であり、値上がり益が期待できる米国債は魅力的な投資先であると言えます。

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■関連リンク Resona Investment Outlook (resona-am.co.jp)

 

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