中核行以外で2026年度に利益50億円 UI銀行が中心的な存在に
東京きらぼしFGは、収益構造の転換を目指しています。その一つが、きらぼし銀行以外の利益の強化です。
地方銀行グループは、収益のほとんどを中核行に依存することが少なくありません。東京きらぼしFGも同様で、連結経常収益の8割超をきらぼし銀行が占めました(2024年3月期)。
この打開を目指した東京きらぼしFGは2024年3月、公表した中期経営計画において、きらぼし銀行以外のグループ会社で利益50億円を目指す目標を明かしました。純利益の計画においては、グループ会社利益は最も大きな増益要因となっています。
【中期経営計画の主な財務目標(~2027年3月期)】
・純利益:300億円(256億円)
・きらぼし銀行除くグループ会社利益:50億円(-3億円)
・ROE:7%台後半(7.4%)
・きらぼし銀行単体コアOHR:50%台半ば(57.8%)
・自己資本比率:8.3%(8.2%)
※()は2024年3月期実績
グループ会社利益で期待されるのがUI銀行です。UI銀行はデジタル戦略の中心的な存在で、グループのリテール金融サービスは今後UI銀行を軸に対応します。
その一環として、きらぼし銀行の個人ローンはUI銀行への移行を進めます。また法人向けも小規模なものはUI銀行で対応できる体制を目指します。
2024年8月にはUI銀行で住宅ローンの取り扱いを開始しました。残高は2027年3月期までに1025億円を目指します。同時に投資用不動産ローンでは1104億円、消費性・目的別ローンでも92億円まで積み上げます。
UI銀行は開業以来で黒字がありません。しかし今後はグループをけん引する存在となりそうです。
【UI銀行の純利益の推移(単体)】
・2022年3月期:-9億円
・2023年3月期:-18億円
・2024年3月期:-22億円
文/若山卓也(わかやまFPサービス)