利益が2021年度に急拡大、最終増益は3期連続 今期は減益の予想

次に業績を押さえましょう。

東京きらぼしFGは2022年3月期以降に利益が大きく増加しています。グループで不動産売却に関連する利益が続いていることに加え、粗利益が増加傾向にあること、与信費用が減少傾向にあることが背景にあります。 

直近の2024年3月期も、資金利益を中心に粗利益が増加しました。資金利益は主に貸出金利息がけん引し、有価証券利息はほぼ横ばいとなっています。きらぼし銀行は有価証券の残高が停滞していますが、貸出金は順調に積み増しており、収益の改善につながったと考えられます。 

これらの影響で業務粗利益が増加し、さらに国債等債券損益および株式等関係損益も改善したことから、経常利益および純利益は増益となりました。経常利益の増加は4期連続、純利益の増加は3期連続です。

【東京きらぼしFGの業績(連結、2024年3月期)】
・経常収益:1383億円(+10.4%)
・経常利益:329億円(+7.1%)
・純利益:256億円(+21.2%)
※()は前期比
※参考(きらぼし銀行単体):コア業務粗利益919億円(+1.2%)、コア業務純益387億円(-3.7%)

出所:東京きらぼしFG 決算短信

ただし今期(2025年3月期)は減益を予想しています。継続していたグループの不動産売却に関連する利益の見込みがないこと、与信関係費用を保守的に見積もったこと、税効果会計による法人税の減少がはく落することが主な要因です。

【東京きらぼしFGの業績予想(連結、2025年3月期)】
・経常収益:非開示
・経常利益:321億円(-2.6%)
・純利益:245億円(-4.4%)
※()は前期比
※参考(きらぼし銀行単体):コア業務粗利益876億円(-4.6%)、コア業務純益346億円(-10.5%)

出所:東京きらぼしFG 決算短信