――国内のリテール市場の見通しについてお聞かせください。
運用商品のニーズが多方面に広がっていくのではないかと期待しています。
例えばアクティブ運用の再評価が進む可能性があります。現状ではコストの低いパッシブ運用に注目が集まっていますが、世界的に複雑な市場環境や「金利のある世界」への突入などを受け、今後はより積極的にプラスアルファのリターン獲得を目指すニーズが出てくると考えられるからです。
また、運用商品に対する投資家の趣味・嗜好がこれまで以上に多様化していくことも予想されます。例えば自動車も、ただの移動手段と考えている人もいれば、車種やブランド、機能性にこだわる人もいるでしょう。新NISAにより資産運用のすそ野が広がる中、運用商品にも同じようにさまざまなニーズが生まれてくると考えられます。
――投資家から新たなニーズが生まれることを見据え、御社として取り組んでいることはありますか。
6月に「アムンディ・インデックスシリーズ」を立ち上げ、第一弾として高配当株や大型成長株、インド株に特化した3本のインデックスファンドを提供開始しました。われわれはアクティブ運用に定評があると自負していますが、今後はより多様な投資スタイルに応えるための商品開発に努めていきます。
――最後に読者へ向けてメッセージをお願いします。
足元で「金利のある時代」に突入する中、これからはさまざまな切り口で投資先を組み合わせたポートフォリオ構築が求められますので、これまで以上に質の高い情報にアクセスできるようにすることが不可欠となるでしょう。
当社では2022年に「アムンディ・インベストメント・インスティテュート」という社内シンクタンクを立ち上げ、経済・金融のみならず、地政学的リスクや環境問題といった幅広い分野で専門性の高い情報を発信しています。今後もグローバルな知見を生かして投資家をサポートしていきます。