新規設定ファンドの動向を追うと、注目のテーマやユニークな戦略が見えてくる。本連載では新顔ファンドに焦点を当て、“次なる一手”を探す投資家の指針となる情報を中立的な立場から提供する。
三菱UFJアセットマネジメントは11月18日、「欧州防衛・航空宇宙株式インデックスファンド」を新たに設定した。同ファンドは欧州の防衛関連および航空宇宙関連企業の株式等に投資し、MSCI Europe Aerospace and Defense Ex Controversial Weapons Capped Index(配当込み、円換算ベース)への連動を目指す。SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社で取り扱う。
なぜ今、欧州で自立防衛がトレンドなのか
ロシアのウクライナ侵攻を機に、欧州各国では「自国の安全保障は自らの手で守る」という自立防衛の理念のもと、防衛予算を大幅に増額してきた。中でも民間資金の活用を通じた防衛産業の強化が進むほか、衛星通信事業や宇宙空間の利用など航空宇宙産業の重要性が高まっている。同ファンドは、こうした欧州における安全保障強化の潮流を投資テーマとして組み入れた商品となる。
・ベンチマークと組入銘柄の特徴
同ファンドが連動を目指すMSCI Europe Aerospace and Defense Ex Controversial Weapons Capped Indexは、欧州の先進国市場における大型および中型株で構成される。世界産業分類基準(GICS)に基づき「航空宇宙・防衛」産業グループに分類される銘柄が選定されるが、一部の兵器(Controversial Weapons:物議を醸す武器)の製造等に関与する企業はMSCI ESG Researchのデータに基づき投資対象から除外される仕組みだ。1銘柄あたりの保有上限が設けられ、特定銘柄への過度な集中を回避する設計となっている。
運用はファミリーファンド方式を採用し、実際の投資は欧州防衛・航空宇宙株式インデックスマザーファンドを通じて行われる。ベンチマーク採用銘柄を主要投資対象とし、ファンドの資金動向やベンチマーク構成の変動を考慮してポートフォリオを構築する。売買執行時には売買コストの抑制に留意し、一連の投資行動を分析してその結果をポートフォリオに反映することで、運用の継続的な改善を図る。原則として為替ヘッジは行わない。
・コストと決算頻度
運用管理費用(信託報酬)は年率0.77%。内訳は委託会社0.355%、販売会社0.320%、受託会社0.025%となる。購入時手数料は上限3.3%で、販売会社により異なる。換金時には換金申込受付日の翌営業日の基準価額に0.3%をかけた信託財産留保額が差し引かれる。
決算は年1回で毎年11月17日で、初回決算日は2026年11月17日となる。分配金額は信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針だが、基準価額水準や市況動向等により変更される場合がある。
・投資リスク
主なリスクには、株式の価格変動リスク、為替変動リスク、組入有価証券等の発行者や取引先等の信用リスク、流動性リスクなどが挙げられる。
特定のテーマ(防衛および航空宇宙)に沿った銘柄に投資するため、株式市場全体の動きとファンドの基準価額の動きが大きく異なる場合がある。より幅広い銘柄に分散投資する場合と比べて基準価額が大きく変動する可能性がある点に留意が必要だ。
※当記事は三菱UFJアセットマネジメントが発表した資料に基づき作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではない。投資信託の購入に際しては、販売会社から交付される最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を十分に確認し、自己の判断と責任において行う必要がある。
