本業好調も前期は債券の損失で減益 今期は大幅な増益を計画
足元の業績を確認しておきましょう。
コンコルディアFGは前期(2024年3月期)に収益が伸びた一方、経常利益は減少しています。ただし特別利益として負ののれん発生益156億円が生じたことから、純利益ベースでは大きな増益となりました。負ののれんは神奈川銀行の完全子会社化(2023年6月)に伴い生じたものです。
【コンコルディアFGの業績(2024年3月期)】
・経常収益:3583億円(+14.4%)
・経常利益:770億円(-3.5%)
・純利益:669億円(+19.1%)
※()は前期比
※参考(3行合算):業務粗利益2052億円(-1.5%)、実質業務純益798億円(-6.4%)、業務純益823億円(-1.3%)
経常利益の減少は債券の損失が影響しています。
銀行本来の業務の収支を示す業務粗利益(3行合算)は減少しました。外債などの損切りが響き、市場部門損益が90億円減少し77億円の赤字になったことが主な原因です。貸出金の増進などから資金利益は52億円増加しましたが、債券の損失で打ち消されています。
なお、債券の売却損益などで構成される「その他業務利益」を除いたコア業務純益(投信解約損益を除く)は9.2%増加しました。債券のロスカットという一時的な要因を除けば、本業はおおむね好調だったといえるでしょう。
今期(2025年3月期)は経常利益、純利益のいずれも増益の計画です。前期に77億円の赤字だった市場部門損益(3行合算)は、196億円の黒字と大幅な改善を見込んでいます。なお負ののれん発生益がはく落するため、経常利益と比べると純利益の増加は小さくなっています。
【コンコルディアFGの業績見通し(2025年3月期)】
・経常収益:非開示
・経常利益:1090億円(+41.5%)
・純利益:750億円(+12.0%)
※()は前期比
※参考(3行合算):業務粗利益2384億円(+16.2%)、実質業務純益1112億円(+39.3%)