PBR改善へ取り組みを開始 カギとなる「RORA」とは?

コンコルディアFGは2023年5月、決算説明会でPBRの改善を打ち出しました。その対策の一つとして挙げられたのがRORAの改善です。

RORAとはリターン・オン・リスクアセットの略語で、貸出金といったリスク資産に対する利益率を表します。コンコルディアFGは、より高い利回りが期待できる融資を増やすことで利益率を改善し、PBRの改善を目指しています。

コンコルディアFGの投資家説明会向け資料によると、横浜銀行の資産別RORAは住宅ローンに次いでLBO(※)ローンが高いようです。LBOローンはストラクチャードファイナンス(※)の代表的な資産であり、コンコルディアFGは着実にその残高を増やしてきました。

※LBO(レバレッジド・バイアウト):負債(借入金など)を利用した買収。融資は一般に、買収企業の信用力ではなく被買収企業の価値に基づいて行われる。

※ストラクチャードファイナンス:借り手企業の信用力ではなく、借入金の使途となる事業や資産の価値などに基づいて行われる融資の総称。仕組み金融とも呼ばれる。

 

コンコルディアFGの1株あたり純資産は1098.4円です(2024年3月期)。2024年7月3日終値(957.1円)で計算したPBRは0.87倍となります。2019年度末は0.35倍程度だったことから、確かにPBRは改善が進んでいるようです。

コンコルディアFGは今期(2025年3月期)の計画を達成すると、株主資本利益率が同社の認識する株主資本コスト6%~9%に達します。株主が期待する利益を達成できれば、PBRの改善はさらに進むかもしれません。