日本に「金利ある世界」が到来しています。10年国債利回りは2024年5月に1%に達しました。1%台は2013年5月以来およそ11年ぶりです。

金利の上昇は一般に企業の利益を圧迫します。しかし銀行にとってはプラス要因です。金利が上昇すると利ざやの拡大が見込まれるためです。銀行株は近年、業績改善の期待から買われる展開が続いています。

ひときわ高い利ざやを持つのが、横浜銀行など3つの銀行を擁するコンコルディア・フィナンシャルグループです。3行合算の国内預貸金利ざやは0.9%を超え、地銀の平均を大きく上回っています。

【国内預貸金利ざや】
・コンコルディアFG:0.958%(3行合算、2023年度下期)
・地銀平均:0.24%(62行単体、2023年度)
※3行合算:横浜銀行、東日本銀行、神奈川銀行

出所:コンコルディアFG 決算説明会資料
出所:全国地方銀行協会 地方銀行の決算

今回はコンコルディアFGに焦点を当ててみましょう。同社の概要と業績を紹介します。またコンコルディアFGが取り組むPBRの改善策も解説します。

神奈川・東京の地方銀行 恵まれた地域ポテンシャルが強み

コンコルディアFGは神奈川と東京を地盤に持つ金融グループです。横浜銀行を中核に、第二地銀の東日本銀行(東京都)と神奈川銀行を子会社に持ちます。社名のコンコルディアとは、調和や協調を意味するラテン語です。

コンコルディアFGの強みはマーケットの大きさです。地盤である神奈川・東京は人口と企業が集中しており、経済規模は主要国に匹敵します。例えば両者の合計GDP(県内総生産)はメキシコを上回り、スペインに次ぐ水準です。

【主要国と神奈川・東京のGDP(県内総生産)の比較】
・オーストラリア:1兆6578億ドル
・スペイン:1兆4666億ドル
・東京+神奈川:1兆3258億ドル
・メキシコ:1兆3131億ドル
・インドネシア:1兆1865億ドル
※IMF “World Economic Outlook Database”, April 2024 神奈川県「県民経済計算」(2021年度)、東京都「都民経済計算」(2021年度)。

出所:コンコルディアFG 決算説明会資料

肥沃なマーケットを持つコンコルディアFGはトップクラスの規模を持ちます。特にグループ中核の横浜銀行は貸出金、預金で地銀首位です(単体、2024年3月期)。

【横浜銀行のバランスシート(単体、2024年3月期)】
・総資産:21兆8052億円(地銀2位)
・貸出金:14兆6130億円(同1位)
・預金:17兆9717億円(同1位)
・純資産:1兆0509億円(同3位)

出所:全国地方銀行協会 地方銀行の決算

株価も順調です。多くの銀行株と同様、コンコルディアFGの株式も右肩上がりに上昇しています。