次に、ペアローンについて確認してみます。全年代で最も多いのは2,000万円以上〜3,000万円未満の31.5%、次いで3,000万円以上〜4,000万円未満の23.4%で、借入金額の中央値はおよそ2,833万円でした【図表3】。

先ほどと同様に30代をみると、最も多いのが3,000万円以上〜4,000万円未満の26.6%、2番目に多いのは同率で、2,000万円以上〜3,000万円未満と3,000万円以上〜4,000万円未満の18.8%で、中央値も3,412万円でした。

【図表3】住宅ローン借入額(ペアローンの場合)

*回答者:住宅ローン利用経験者
*表内年代、アンケート調査回答時の年齢
*5.0%未満はグラフ内の表記省略
*中央値は、50%部分が含まれる選択肢から概算値を算出。なお、解答は各選択肢内で均等に分布していることを前提とした。万円未満四捨五入。

住宅ローンの借入形態によって、住宅ローンの当初借入金額に差が出るかについて確認をしたところ、いずれの年代においてもペアローンの方が単独ローンよりも当初借入金額が高額化していることが分かりました【図表4】。新築分譲マンションの価格も継続的に上昇しているなど(【図表5】)不動産価格は高騰しており、“世帯として理想とする住まいを手に入れるために、夫婦・パートナー双方が力を合わせて借入れをする”といった取り組みも増えてきているものと思われます。

ペアローンは、
●借入額が大きくできることで物件の選択肢が広がる
● 住宅ローン控除の要件を満たした場合、それぞれが住宅ローン控除の適用を受けることができる
などのメリットが期待できる一方、
●「子育て」、「介護」、「転職」といったライフイベントによって、いずれかの収入が大きく減少した場合であっても、返済を継続できるか
という点を、長期の目線で十分に検討しておくことが望まれます。

【図表4】住宅ローン借入額(中央値)比較

*回答者:住宅ローン利用経験者
*表内年代、アンケート調査回答時の年齢
*5.0%未満はグラフ内の表記省略
*中央値は、50%部分が含まれる選択肢から概算値を算出。なお、解答は各選択肢内で均等に分布していることを前提とした。万円未満四捨五入。

【図表5】マンション価格推移(2014年~2023年)

(出所)株式会社不動産経済研究所「全国 新築分譲マンション市場動向 2023年」より三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成