心理的安全性は人材難、生産性向上にも有効

言いたいことが言えない関係では必要な情報が共有されず、問題解決につながりせん。変化が激しい環境下、組織やチームで成果を出す重要性はより高まっています。一方で、多くの企業にとって離職の問題は大きな悩みの種ではないでしょうか。厚生労働省の調査では、若者が会社を辞めた理由の1位が労働時間・休日・休暇の条件、2位が人間関係と続きます。

図表④ 最終学校卒業後初めて勤務した会社をやめた主な理由(満15歳~34歳の労働者)

出所:厚生労働省 「平成30年若年者雇用実態調査の概況」

この点に関しても心理的安全性の構築が有効な解決策の一つとなります。心理的安全性を保ちながら、「高い業績基準や目標を設定することでメンバーが責任感を持ち協働し合い、高いパフォーマンスを挙げる結果につながることが研究からも分かっています」(髙宮氏)。

一方で、心理的安全性を単なる仲良しグループやぬるま湯環境と捉え違えてしまうと、良いパフォーマンスにはつながらない点に注意が必要です。あくまでも目標達成に向かうための健全な心理的安全性を土台に、チームの一人ひとりが協力して成果を成し遂げることに意味があります。7月11日公開予定の連載第4回では、その具体策について掘り下げていきます。

連載:今と未来のために知っておきたい「お金と幸せ」のウェルビーイングな関係
第1回 「4000万円貯めるのと同じ幸せ」を得るためにできるたった1つの大切なこと 

第2回 実は上がっている?「日本の幸福度」―世界幸福度ランキングからひも解く「お金と幸せ」のシンプルな解決策