直近の物価高ではさまざまなものが値上がりしている。食料品や水道光熱費、電気製品や雑貨に至るまで、ありとあらゆるものの値が上がっていると言ってもいい。とはいえ、それらは騒がれているだけまだ良心的で、中にはじわじわ、かつひっそりと値上がりしているものもある。それが家賃だ。今回は突然の家賃の値上がりに頭を抱えた小林さんの話をしていこう。

突然通知された家賃の値上げ

小林さんは月収22万円のフリーターだ。家賃は月7万円。手取りは18万円で家賃を引くと残りは11万円程度。小林さんが住むのはもともと物価が高い東京都内。生活費に余裕があるわけでもない。そこに来てこの物価高。節制に節制を重ねても家計は火の車である。

そんなある日、小林さんに宛てて1通の封書が届く。差出人を見れば住んでいる物件の管理会社からだ。

封を開けると、そこには次回の契約更新時より家賃を2万円も値上げするということが記載されている。理由として、近隣の物件に比べて家賃相場が安いことや、直近の物価高で管理コストかさんできているということが記載されていた。

その新たな月9万円の家賃が適用されるのは半年後の4月から。焦る小林さんはどうすればいいのか頭を抱え、行政書士でもあり宅地建物取引士の資格を有する私のもとへ相談に訪れた。