NISAとの違いを説明する
つみたてNISA(少額投資非課税制度)との違いを説明することで、DCの利用促進につながる可能性もあります。
例えば、次のような違いです。
①DCは拠出時の所得税・住民税の軽減効果がある ⇔ NISAは課税後所得からの投資
②DCは原則60歳まで活用できない資産 ⇔ NISAはいつでも換金できる
③DCは拠出限度額があまり大きくない ⇔ NISAは年間360万円(つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円)で非課税保有限度額は1800万円
④DCはスイッチングがいつでもできる ⇔ NISA口座の商品を売却しても非課税枠が復活するのは翌年
②③は一見、NISAに軍配が上がるように思えますが、③の60歳まで活用できない資産というのは、逆にいえば60歳まで取り崩すことなく確実に積み上げられる資産ともいえますし、③の拠出限度額が大きくない点はリスク抑制の役目を果たすともいえます。
また、④の制度内でいつでもスイッチングできる(売却して利益確定した後も直ちにほかの商品を購入できる)点は、NISAにはない大きなメリットといえるでしょう。
つみたてNISAの認知度は高く、利用者数も増えていることが判明しました。「投資に関する1万人アンケート調査」によると、積立投資を行っている人の割合は推計 1903 万人で、その53.2%はつみたてNISAで実施となっています。一方で、DC制度の認知度は低いと指摘されています(※3)。
この2~3年で、新入社員のなかでも「NISAをやっている」という人が増えつつあることとも符合します。
年末に金融庁から公表された資産運用立国実現プランが実現されることで、10年後、20年後には積立投資のメリットを説明する必要さえない状況に変わっているかもしれません。
(※3)一般社団法人投資信託協会「投資に関する1万人アンケート調査」2022年3月29日公表