ユキの異変

そんなある日、事件が起こる。

シートの上でしっかりとユキが便をするようになり、恵美はそれを片付けようとした。そこで異変に気付く。

「きゃあ!」

恵美は思わず声を上げていた。それを聞いた和幸が走ってくる。

「ど、どうした?」

「あ、あなた、どうしよう! ユキがち、血のついたうんちを……!」

ユキの出した便に血がついていたのだ。恵美は気が動転する。

「ひ、仁美に取りあえず聞いてみて……!」

「いや、まずは病院に連れて行こう。この近くに動物病院があるから、そこに連絡をする。恵美はすぐにユキをキャリーに入れなさい」

「え、う、うん」

それから和幸は病院に連絡を入れて、すぐに病院へと向かってくれた。

恵美はただ心配するしかなかったが、和幸はしっかりと医者にユキの状況を伝えてくれて、さらに便のついたシートを持ってきたことですぐに検査も受けることができた。

結果的にはストレス性のものであると判明。新しい場所で生活をする子犬にはよくあることだと医者は説明してくれた。

それを聞き、恵美は一安心をする。