各国の経済の規模はどうなっている?
次に経済の規模を見てみましょう。
全世界の名目GDP
国際比較という点では名目GDPを用いるのが良いと思われますが、2010年から2021年までの11年間で、全世界の名目GDPは、66兆5780億1700万米ドルから96兆6980億500万米ドルまで増えました。率にすると45.24%増です。
では、日本はどの程度伸びたのかというと、13.12%減という厳しい数字になりました。日本以外に、この11年間で名目GDPが減少した国を挙げると、ブラジル、ベネズエラ、イタリア、ギリシャ、アンゴラ、スーダン、リビア、くらいのものです。
日本の名目GDPが減少している理由
ただ、日本の名目GDPが減少傾向をたどった理由の1つとして、円安が進んだ点は考慮する必要があります。ここで取り上げられている名目GDPは米ドル建てなので、円建てのGDPが増加したとしても、対米ドルで円が安くなってしまったら、米ドル建ての名目GDPは減価せざるを得なくなるのです。
また国民1人あたりが国内外で得た所得の総額を示す1人あたり国民総所得の数字を見ると、日本のそれは4万1162米ドルですが、それを超える国は他にも23カ国あります。
日本は24番目の国であり、絶対額からすればもっと低い国はたくさんあるものの、1人あたり国民総所得という概念から見ると、「非常に豊かか?」と問われれば、いささか首をかしげずにはいられません。
もちろん、あくまでも名目値なので、インフレとの見合いで考えなければなりませんが、絶対額を稼ぐ力という点において、日本の弱さが目立つ数字になっています。