世界の貿易取引関係は?

日本と諸外国との関係性を考えるうえで重要なのが、諸外国との貿易取引関係です。これも、「世界の統計」を見ると、「主要相手国別輸出入額」という統計で、輸出と輸入それぞれについて、日本をはじめとして各国が、どの国との貿易が多いのか、分かります。

日本の輸出入額が最も多い国

たとえば日本の場合、輸出、輸入のいずれも最も額が多いのが中国です。2021年時点で中国への輸出総額が1638億6000万米ドルで、輸入総額が1856億6400万米ドルですから、輸入超です。また輸出入額の両方とも、中国に次いで多いのが米国で、輸出総額が1359億7600万米ドルで、輸入総額が829億6600万米ドルですから、米国に対しては輸出超になっています。

ディカップリングは実現可能か

日本に限らず、米国をはじめとした西側自由主義陣営の間では、中国抜きのサプライチェーンを検討する動きはあります。一時は「ディカップリング」といって、中国との経済関係を完全に絶つという話もありましたが、この貿易額を見れば、ディカップリングが現実的ではないことが分かると思います。

これは米国も同じで、中国向けの輸出総額はカナダ、メキシコに次ぐ3位ですが、輸入総額は中国が1位です。イギリスも輸入総額では中国が1位。ドイツは輸出総額が2位で、輸入総額が1位です。この状況でディカップリングを強行すれば、世界経済は大混乱に陥るでしょう。

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数字を眺めるだけでなく、その数字が何を意味するのかを考えることによって、経済や金融に対する知識が確実に備わります。そして、それは資産運用にも役立つはずなのです。