日経平均最高値更新も実感がないのは当然⁉

でも、よく考えてみれば、株価が最高値を更新したからといって、いわゆる「庶民」の暮らしぶりもすぐに良くなるなどということは、あり得ない話です。

株価は期待先行なので、実体経済の動きは株価に遅行する傾向があるからです。

それに、街頭インタビューの声は、基本的に国内で生活している人たちの実感ですが、日経平均株価の値動きに影響を及ぼしている企業を見ると、日本企業とはいえ、主戦場を海外にしているところが大半です。

日経平均株価の寄与度ランキングを見ると、

1位・・・・・・東京エレクトロン
2位・・・・・・ファーストリテイリング
3位・・・・・・アドバンテスト
4位・・・・・・ソフトバンクグループ
5位・・・・・・信越化学
6位・・・・・・レーザーテック
7位・・・・・・SCREENホールディングス
8位・・・・・・TDK
9位・・・・・・トヨタ自動車
10位・・・・・・キッコーマン

となっています。

いずれの企業も、海外売上比率が高いグローバル企業ばかりです。こうした企業に勤めている社員は、ひょっとしたら株価の上昇と生活実感がリンクしている可能性はあります。持株会に入っていて、勤務先企業の株式を一定数持っていれば、なおのことでしょう。

でも、ご存じのように日本企業の99.7%は中小企業であり、働いている人の68.8%は中小企業勤務という数字があります。このような中小・零細企業で働いている人たちにとっては、グローバルマーケットでの売上増も、株価の上昇も、基本的にはあまり関係ありません。

こうした点を考えれば、株価の上昇と、人々の生活実感に乖離(かいり)が生じるのは、当然のことなのです。