「趣味×興味」の領域でNPO活動を開始
「ワールドランナーズ・ジャパン」は年に3~4回チャリティーマラソン大会を開催していて、ランナーからの参加費や寄付を使い、アフリカの子供たちを支援しているNPO法人です。
金子さんにとっては、好きなマラソンと興味があるチャリティー活動の両方に関われるので、大会にボランティアとして参加することにしました。仕事とは異なるボランティア活動は新鮮で楽しいものでした。
何度か参加するうちに、他のスタッフの方から「リーダー的な役割で活動に参加してみませんか?」との誘いを受けました。そうして海外勤務の経験を強みとして、寄付金の使い方や、現地との支援内容の交渉において役割を担うことになったのです。
こうしたNPO活動はもともと運営予算も限られていることから、スタッフは手弁当で参加しています。さらに収益は寄付になるので完全に無報酬での活動です。
しかし、そこに集まってくる人たちはその分野に興味を持っていて、心から好きな人たちなので、仕事と違って親しくなりやすいのです。金子さんも、ここで本当の意味でのネットワークが生まれたと言います。
金子さんは平日の昼間は本業の銀行の仕事があり、土日や平日の夜をNPO活動にあてていたため、時間的に少しキツいと思うこともありましたが、好きでやっているので面白さを感じて活動を継続できました。
実は、このようなNPO法人のスタッフは、大方は会社員の方が運営に携わっているので、継続して関わり続ける人が少ないもの。金子さんのように興味を持って長く関わる人はNPO法人にとっても有り難い存在だったようで、次第に深く運営に関わるようになりました。
ここで筆者がなるほどと思ったのは、好きな分野で興味を持ち、純粋な気持ちで参加した人たちの触れ合いは自然で、本当に住み心地の良い「サードプレイス」になるということです。