高齢者が抱える3つの大きな不安とは?

ところで、私は常々、お金の世界の「リスクとリターンの法則」さえ理解していれば、高齢者を狙う金融詐欺に代表される消費者トラブルは防げるのではないかと思っていました。

でも、最近、必ずしもそればかりではないかもしれない、とも思いはじめています。その気づきを得たのが、国民生活センターが注意喚起している「高齢者の消費者被害」のページを眺めていたときのこと。以下、同ホームページからの抜粋になります(下線は筆者)。

高齢者の消費者被害に関する相談が全国の消費生活センター等に多く寄せられています。

高齢者は「お金」「健康」「孤独」の3つの大きな不安を持っているといわれています。悪質業者は言葉巧みにこれらの不安をあおり、親切にして信用させ、年金や貯蓄などの大切な財産を狙っています。高齢者は自宅にいることが多いため、電話勧誘販売や家庭訪販による被害にあいやすいのも特徴です。

トラブルにあわないために、高齢者に多いトラブルの事例や手口などの「情報」を集めることはとても有効です。

もちろん、高齢者に多いトラブルの事例や手口などの「情報」を集めること、つまり、知ることで避けられるトラブルも数多くあるかと思います。

でも、それ以上に私が注目し、そして、もっと大切だと思ったのは、悪質業者がどのように高齢者の不安をあおるのか、ということ。下線を引いていますが、悪質業者は「お金」と「健康」、そして「孤独」の不安をあおってくるのです。

だとすれば、この3つに不安のない生活を送ることが、消費者トラブルに遭わないための最善の対策にもなる、そんなこともご理解いただけるのではないでしょうか。