——最後に、直近DC向けにどのような商品が設定されたか教えていただけますか?

2023年10月~12月では2本のファンドが設定されました(図7)。

図7 新規設定ファンド 拡大図表示

※公社債投信等を除くDC用ファンド(専用・共用) 出所:三菱アセット・ブレインズ

11月には「DC世界経済インデックスファンド(株式特化型)」がランクインしました。こちらは既に設定されている複合資産型の「DC世界経済インデックスファンド」を参考としたファンドです。

同ファンドは世界各国のGDPの規模に合わせて株式・債券に分散投資するファンドですが、当ファンドはGDPを参照した上で、株式資産のみに投資します。現状、先進国株式に55%、新興国株式に35%、国内株式に10%投資することを基本としています。新興国も含め世界経済全体の成長を株式投資によって享受したい、という加入者に適したファンドと言えるでしょう。

ターゲットイヤーファンドである、「マイターゲット2070(確定拠出年金向け)」も設定されています。ターゲットイヤーファンドは、2070年の目標年に向けて株式の割合を徐々に減らす一方で債券の割合を増やし、リスクを引き下げていくのが特徴です。

なお、当ファンドは2070年の目標年到達後も運用を継続するタイプのファンドです。株式にも一定程度投資しますので、目標到達後も相応に基準価額は変動します。ただし、当ファンドでは目標年到達以降の下値保全機能を有しており、基準価額が基準値を下回って下落した場合には、一定期間各資産への投資比率を引き下げ、安定運用に切り替えることで、さらなる下落を抑制する点に特徴があります。「目標年到達以降も運用を継続していきたいが、市場環境が悪化した時に大幅に資産が減ってしまうのは困る」という加入者に適したファンドと言えます。

以上のとおり、今回の新規設定ファンドは2本のみでしたが、2024年は「資産運用立国」がテーマとなっており、公募ファンド市場では「新しいNISA制度」がスタートしました。今後、確定拠出年金の市場にも同様に注目が集まることが期待されます。

以上、パフォーマンス動向、資金流出入動向、新規設定ファンド動向について、お話しました。