Q.ジュニアNISA廃止で、今後教育費作りをどうすればいいですか?

A. 親のNISA口座の2つの投資枠を上手に活用しましょう。

ジュニアNISAで教育費作りをしていた場合、今後どのように教育費を積み立てるか悩んでいる人もいるでしょう。新NISAで子ども名義の口座を作ることはできません。NISAで教育費を作るなら、今後は親名義の口座で作ることになります。

そこで問題になるのが、親の資金と教育費が同じ口座内で管理されることです。新しいNISAは、税制優遇が大きく改善されたものの、子ども名義の口座を作れないのはジュニアNISAで教育費を作っていた人にとっては大きな痛手です。

この点を解決するには、親のNISA口座の2つの投資枠を上手に活用するしかないでしょう。例えば、つみたて投資枠は教育資金用に、成長投資枠は親の老後資金用にするなどです。

親と子の資金が同じ口座内になると管理が大変なのはもちろん、それぞれの残高が可視化されないため、目標を達成できない可能性があります。積立金額や積立期間が資産形成の結果を左右するのは当然ですが、口座管理も資産形成において重要なポイントです。親と子の資金は必ず分けましょう。

さて、教育資金をいくら準備するかにもよりますが、子ども1人あたりの大学資金として500万円を目標にするなら、子ども2人までなら成長投資枠の利用が可能です。しかし、3人以上になると、成長投資枠では非課税枠オーバーになり、もう一方の親の口座を利用するか、つみたて投資枠を利用することになります。

教育費をつみたて投資枠で積み立てるなら、親の資金は成長投資枠で積み立てることになりますが、もし老後のために資産形成をするなら成長投資枠の非課税枠1200万円では少ないこともあるでしょう。

しかし教育資金にはゴールがあります。大抵の場合、老後より早く教育資金のゴールがやってきますから、教育資金を引き出すことで非課税枠に余裕が生まれます。新NISAでは枠の再利用が可能ですから、教育資金と親の資金の投資額合計が1800万円を超えないように積み立ての管理を行っていきましょう。

このように親と子の資金を同一NISA口座で作るポイントとしては、

・枠を分ける
・年間非課税枠以内で積み立てられている
・目標金額到達までに投資額が1800万円を超える年はない

という3点を確認することです。子どもの年齢や人数、自分の年齢など加味して、ご自身の状況にあった方法で資金準備をしていってください。

新NISAの最大活用を!

必要な資金額、運用したい資金額は人それぞれです。しかし、自分の人生においてどんな資金が今後いくら必要になるかを考えると、新しいNISAでどのように運用していくべきかが少しずつ見えてきます。新NISAを最大限に活用して資産形成を楽しみましょう。

参考
・厚生労働省 「公的年金シミュレーター」