老後の資金も、明確にしていけば不安はなくなる

まずは使っている金融機関を、できるだけコンパクトにまとめましょう。そして保険も一度見直します。ただし、先進医療部分の費用は高額療養費制度では戻ってきません。その上、高齢になった時に、そのような最先端の治療を受けるだけの体力があるでしょうか?

若い時は家族のためにも少しでも長生きしなければと思い、仮に辛くても治る可能性がある治療にかけるという考え方もあるでしょう。でも高齢の場合、そこまでの積極的な治療でどこまで回復するのでしょうか。

人それぞれの考え方もありますが、本当に自分のかけている保険が必要かどうか、改めて健康で元気なうちに一度検討することも必要だと思います。

金融機関や保険を整理した上で、自身の受給できる年金額を確認してみましょう。毎年誕生月に、「ねんきん定期便」が送られてきます。それには50歳以上の場合、今と同じ条件で60歳まで働いて年金を納付したと仮定した時の、65歳から受給できる金額が記されています。

受給年齢が後ろ倒しになればなるほど、受け取れる年金の額は割増されます。そこを加味しながら、いくつまで働くのか、年金で毎月いくら使えるのか把握していきましょう。

そこまで分かれば、自身の総資産と生活スタイルから、70代ではいくら、80代ではいくらと具体的にかけられる費用が明確になっていきます。足りないと思えば、副業をして収入を増やすとか、働く期間を長くするとか、節約するとか、住まいを売却してコンパクトにするとか、いろいろと方法や工夫は見えてくるはずです。

分からないから不安なんです。でも不安だからとお金を使わないことばかり注力していると「亡くなった時がいちばんお金持ち」になってしまう可能性もあります。

日本人は貯めることは上手だけれど、お金を使うことは下手だと言われています。せっかく生きているのですから、楽しまないともったいない。

そのためにも、自分の周りのいろいろなことを明確にして、今の元気な自分が楽しめるように計画を立てていきましょう。