クレジットカードで気をつけた方がいい盲点ってありますか?
皆さんは、普段クレジットカードを使われていますか?
具体的に何に使っていますか? サクッと言えますか?
明細書を隅から隅までチェックしていますか?
意外と全部は覚えておらず、「あ、これもクレジットから支払われているんだ」と気付くことがあります。
菅井さん(仮名・78歳)は、ある日突然にスマホが使えなくなって驚きました。充電していなかった訳ではありません。お金はちゃんと持っているので、使用料未払いでストップしたという発想は全くなく、ただ機械の故障やトラブルしか思いつきませんでした。
今のご時世、スマホが使えないと、とても不便です。まずは通信事業者に連絡しようとしました。ところが電話番号が分かりません。それもそのはず、今は問い合わせの電話を可能な限り減らすために、各社はWEB上から確認してもらうよう電話番号は目立つところには明記していないからです。
案の定、菅井さんも探すのに苦戦しました。結局見つけられず、ショップへ行くことに。整理券を取って、長時間待って、ようやく順番が来ました。事情を話し、一緒にWEB上から作業してくれることになりました。そこでまた難関到来です。
「WEBの暗証番号をお願いします」
菅井さんの頭は、「?」マークだらけです。そのようなもの、覚えていません。暗証番号って、いつ誰が決めたのか、それすら覚えていないし分かりません。
困り切った菅井さんに、担当者も頭を抱えます。では電話番号から……とあれこれ対応してもらって、やっと原因が分かりました! 原因はクレジットカードでした。
クレジットカードは、一定期間で更新されます。カード払いにしている場合、カードが更新されても再登録しなくても大丈夫な場合と、そうでないケースがあります。たまたま菅井さんの場合、クレジットカードの有効期限が切れたので、新しく更新手続きをする必要があったのです。
そんなこととは思いもよらず、菅井さんは更新手続きをしていなかったため、通信費が支払われていない状態でした。おそらく督促状も来ていたはずなのですが、払えない可能性が自分の頭の中にはないことから、スルーしてしまったのでしょう。
これが50代なら更新手続きをサクッとしたり、督促状が届けば支払われていないことに気付いてすぐ対応できたでしょう。年齢にも幅があるとは思いますが、高齢になると「若い時に普通にできていたことが、できなくなる」のです。
65歳を目途にクレジットカードで何を払っているかの見直しを
またクレジットカードによる、サブスクリプション問題もいろいろあります。
子どもが高齢の親の家に行ったら、棚からたくさんの使っていない毛染め剤や毛生え薬が出てきた! という話はよくあります。置いてある量からすると、相当な期間使わないまま送られ続けているようです。
「これ使っているの?」そう聞いても、曖昧な笑顔しか返ってきません。使っていないなら解約をすれば済むことなのですが、解約の仕方が分からないと言います。
商品が送られてきた時の明細を探すと、やはり電話番号が書かれていません。何とかその商品の会社のHP上から探していくと、購入ボタンは色がついていて大きいのに、解約手続きのことは小さくしか書かれていません。さらに1回分は止めることはできても、解約は電話でしかできないような設定になっていました。
やっと番号を入手したのでかけてみると、これまた延々と繋がりません。「混みあっていますので……」というようなアナウンスが流れます。
こんな仕組みなら、高齢者はこれらの一連の流れのどこか途中で諦めてしまうのも無理はありません。そして、延々と使わない商品が送られてくるのでしょう。毎回発注するのは面倒だし、自動で送られてきて、支払いもクレジット決済となれば、便利なのは分かります。でもこれが曲者です。
高齢になった時に、このようなことが起こらないように、今利用しているサブスクを、いちど洗い出してみましょう。そしてクリアな頭の間に、解約手続き方法を確認しておくことをお勧めします。
●第3回(「エンディングノート」と「遺言書」の違いとは? 知らないと損する「終活」の常識)では、エンディングノートや遺言書が担う役割や作成のコツについて解説します。
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