自分の貯めたお金は最期まで自分のために使えるようにしましょう

ここでひとつ、簡単にできる方法をお伝えしましょう。それが「代理人指定制度」です。

各金融機関で呼び方は違うでしょうが、自身の口座に関して代理人を決めておくことができるという制度です。この代理人を決めておけば、自分で銀行に行けなくなった等の場合には、予め決めておいた代理人が本人の口座から出金をすることができます。

ただこの制度、残念ながら、万能ではありません。通常、指定できる代理人は、2親等や3親等内の親族に限られます。そうなると「頼れる家族がいる」ことが前提になってしまうのです。

2親等といえば親子や夫婦、兄弟の間なので、甥っ子、姪っ子を頼ることもできません。当然に「頼れる家族」がいなければ、この手続きさえも利用できないのです。

さらに利用できたとしても、出金額が多かったり、長期になると、金融機関側から正式な「成年後見制度」を利用するよう促されることもあります。短期間なら良いのでしょうが、何年もとなると、延々と口座からお金が引き出されることに金融機関も不安を感じるのでしょう。

こうなるとせっかく節約して貯めたお金も、自分の最期まで自分の思うように使えない、ということになってしまいます。

ぴんぴんころりなら、上等です。でも確率的には、宝くじに当選するくらいのレベルです。そうならなかったとしても、自分のお金を自分のために使えるように備えることが必要です。せっかく貯めたお金は、相続人を豊かにするためではなく、ご自身のために有意義に使いましょう。