「縦の関係」から新たな「横の関係を目指す」

「脱・定年時代」を実現するためには、もう一つ重要なことがあります。人間関係を見直して、再構築することです。

仕事でも家庭でも、地域社会のネットワークでも、これからは年功序列や役職の上下関係を大切にする「縦の関係」は崩れ、「横の関係」が主流になるはずです。

今後、「縦の関係」にありがちな、下の立場の人に命令したり、上の立場の人に服従したりすることもなくなります。

この「横の関係」は、心理学者アルフレッド・アドラーが提唱したものです。アドラーの心理学においては、親子のコミュニケーションは信頼や尊敬、協力などの「横の関係」でつながっていると考えられています。

親子の間柄における「縦の関係」とは、親が子どもに命令したり干渉したりすることを指します。「心配だから」「未熟だから」という理由で、親が子どもにあれこれ指示を与えれば、子どもが自分で考えて行動することができません。

子どもが指示通りに行動できなければ、イライラしたり心配したりした親が先回りをして手助けしてしまうので結果的に子どもの成長の機会を奪ってしまうのです。

『脱 定年時代の歩き方』

発行所:Gakken
定価:1,760円(税込)

横手彰太
老後問題解決コンサルタント、家族信託エキスパート

1972年生まれ、中央大学経済学部卒。ABCマート、ニセコで飲食店経営、不動産会社の日本財託を経て、現在は、スタートアップのファミトラにて家族信託エキスパートとして従事。著書に『認知症になる前に知っておきたいお金の話』(ダイヤモンド社)、『老後の年表』(かんき出版)、『頭語の心配まるごと解決ノート』(宝島社)、『脱 定年時代の歩き方』(Gakken)がある。