人生100年時代といわれる現代、定年後も雇用延長で働く人が増え、働き方の選択肢も増える一方です。そんな時代にあって、働き盛り世代の会社員には老後に対して不安をかかえる人は少なくないようです。

話題の書籍『脱 定年時代の歩き方』では、従来の定年の考え方に縛られず、将来の不安に備えて幸せな老後生活を手に入れるノウハウについて、老後問題解決コンサルタントの横手彰太氏が解説。今回は、本書冒頭の「プロローグ」、序章「脱・定年時代を生き抜くための7つのヒント」の一部を特別に公開します。(全3回)

※本稿は、横手彰太著『脱 定年時代の歩き方』(Gakken)の一部を再編集したものです。

脱・定年時代の地図を手に入れよう

もう50歳なのか、まだ50歳なのか。

昨年、50歳になった私は、某優良企業からスタートアップに転職しました。あと10年、安定した収入の生活を維持するために、会社に残るという選択もありました。

しかし、混沌とした今の日本の状況では、安定を求めれば求めるほどリスクが高くなります。逆説的な発想です。私はあえてリスクを選択したほうが実際のリスクは低くなると考えています。

私は成功した経営者でもなく、エリートサラリーマンでもありません。振り返ると山ほど失敗を重ねてきました。それでも、大学在籍中も卒業後も、そして今も、人生の岐路に立たされたときは、あえてリスクをとることを選択してきました。

はたから見ると常に不安定な道を選択しているように見えたかもしれません。もちろん、大成功ばかりではありませんが、その選択を悔やんだことはありません。

まず提案したいのは「はみ出す勇気」を持つことです。人生の分岐点で、リスクを覚悟しつつ「変わろうとする気持ち」を押し殺さないようにしてみてください。

「安定したまま現状維持を目指したい」と考える人もいます。でも、本当にそんなことができるのでしょうか。

仕事も生活も人間関係も目まぐるしく変化しています。ですから、その変化に合わせて自分が変わらなければ、現状維持は難しいのです。現状維持を望む人も、それ以上を望む人も、まずは変化を恐れないようにしてみるのはいかがでしょうか。

日本は「リスク回避社会」といわれています。

1981年から定期的に行われている世界価値観調査においても、「日本人はリスクをとらない」と指摘されています。